
二唐刃物鍛造所 ( にがら はもの たんぞうじょ )
吉澤俊寿写真集
”技”を形にする〜「暗紋」
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2010年3月19日撮影
青森県弘前市。弘前城で有名な街で、古いお寺や町並みにどっか情緒あふれる光景を目にすることがあります。
お城とともに発展してきたこの街に、いまでも古(いにしえ)の伝統の技を伝える「津軽打刃物」の職人さんたちが元気に活躍しています。
二唐刃物鍛造所の吉澤俊寿さん。
津軽藩の武器製造所として江戸時代の創業と伝えられている二唐刃物鍛造所。実際に取材して、伝統を受け継ぐ歴史の重みと今でも情熱を燃やす前向きなその姿に驚きの連続でした。
350年の歴史に支えられた技術はもちろん、過去の歴史に現代の技をプラスする新しい物づくりへの熱い情熱がひしひしと伝わってきました。
ここのオリジナル作品「暗紋(あんもん)」という、鋼を何層にも重ねて鍛えた、独自の紋様が刃物に刻み込まれた刃物。
この「暗紋」は、はじめて拝見しました。
「津軽塗り」を思わせるようなキレイな紋様がナイフに刻まれているのです。刻まれるというか、浮き上がるというか。
そして柄の部分に「津軽塗り」をほどこしたりして、これはもはや芸術品の世界を感じさせてくれました。
最近では、パリ「メゾン・エ・オブジェ」に出展するなど、斬新なアイディアとその伝統技術による作品の芸術性は高く評価されています。
「青森県にすごい人間がいる!」と、実感。
やはりすごい熱意を感じることができました。
ずっと前から「鍛冶屋職人さんを撮ってみたい。」という思いがあり、今回実現することができました。が、いきなりあまりのすごい方で、驚きました。
鉄のかたまりをひたすら叩いて、そして磨く。そういう工程を繰り返し、最終的に想像のつかないような素晴らしい作品を、「腕とハンマーだけ」で創り上げます。熱い鉄を打つから、作業動作も時間との勝負です。思ったより早い動きに、ちょっと驚きでした。
二唐刃物鍛造所では、先代が残した津軽藩の名刀「國俊」(くにとし)の技術を、現代の刃物づくりに生かしています。
二唐刃物鍛造所の吉澤俊寿さんの意気込みを感じとっていただけたら嬉しいです。
*** 二唐刃物鍛造所メモ ***
サイト 「二唐刃物鍛造所(にがらはものたんぞうじょ)」 http://nigara.jp
青森県弘前市金属町4-1
電話 0172-88-2881
二唐 國俊 にがら くにとし (二唐 廣=ひろし)
明治39年8月11日生まれ
昭和初めのころ東北大学付属金属材料研究所長本多光太郎博士のもとに学び、近代化の第一歩を印した。特に刀剣作に卓越し、青森県無形文化財保持者でした。
大正10年 家業鍛治に従事する
昭和6年 東北大学付属金属材料研究所長期講習生として
同大学工学博士本多光太郎の教えを受ける
昭和15年 日本刀展覧会金賞受賞
昭和17年 同展覧会で内閣総理大臣賞受賞
昭和29年 第一回日本美術刀剣保存協会主催技術発表会 優秀賞受賞
以降、同大会で受賞多数
昭和36年 青森県褒章受賞
昭和39年 青森県文化章受賞
昭和53年 文化庁創設十周年記念功労賞受賞
昭和57年 叙勲勲五等瑞宝章を賜る
昭和58年 園遊会に招かれる
※このページの写真を使用したい方は、「青い森の写真館」で必ず承諾をとってください。無断での使用は禁止とさせていただきます。
連絡方法はこちら⇒
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▲91-2509
吉澤さんの作品「暗紋」。鋼を幾重にも重ねて作った独自の紋様が特徴。

▲91-2291
鉄に命を吹き込みはじめる瞬間。ここにはハカリもなければマニュアルもない。
あるのは長い歴史で培った「勘」だけが頼りだ。

▲91-2273
鉄を炉に入れて加工しやすくする。
昔はこの光景も結構見ることができたが、いまではとても貴重な存在だ。

▲91-2277
ここでもまっ赤に焼けた鉄を叩く。窓から差し込んだ光が作業場を照らす。

▲91-2302
ただひたすら叩いて形を作り上げていく。鉄はすぐに冷めてしまうため、時間との勝負だ。

▲91-2312

▲91-2316
まっ赤に焼けた鉄とそれを加工する機械のまっ黒な鉄。鉄と鉄がぶつかりあう。
わずかに包丁の形が現われてくる。

▲91-2322

▲91-2307
まっ赤に焼けた鉄を叩くと火花が散る。向き合う姿は真剣勝負だ。その光景に息を呑む。
ピーンと張り詰めた作業場に鉄の音だけが響きわたる。

▲91-2345
動作は素早い。薄暗い作業所に炉と、まっ赤に焼けた鉄が印象的。

▲91-2352

▲91-2355
炉に入れては叩く。それを何度も繰り返すうちにだんだん形が現われてくる。

▲91-2364

▲91-2367
カーンカーンという音だけが響き渡る。すべては体が覚えている。
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